コラム

敷金・礼金の歴史

nagaya
May 23, 2013
written by K.H

最近は敷金・礼金0円という賃貸物件も増えていますが、これらの物件は退去時の負担費が増えるケースも珍しくありませんので、契約前によく確認しておくことをお薦めします。

そもそも敷金・礼金というものは、どのような意味があるのかご存知でしょうか?

敷金は「家賃滞納や退去時の修繕費などに充てることを目的とした保証金」という意味合いが強くあります。これは、賃貸契約の際に不動産会社の担当者からも説明があると思うので、知っている人も多いでしょう。

しかし、礼金については何に使用される金銭なのか?
それをよく理解しないままに、何となく払っているという人も少なくないはずです。

そもそも礼金とは、諸説ありますが、関東大震災後に家屋の倒壊や火災などで、住む家を失った人が多く、貸家を借りたくても空きが無かったときに、優先して借家を貸してくれた大家さんに対し、お礼として支払ったお金が礼金の始まりだと言われています。

他にも、高度成長期の時代、東京へ単身上京する学生の親御さんが、下宿などの大家さんに対し、「息子を宜しくお願いします」という意味を込めて送ったお礼金という説もあるようです。

いっぽう敷金の歴史はさらに古く、始まりは江戸時代だという説が有力です。

江戸時代では、結婚する際に妻側の家族が花嫁に持参金を持たせており、これを「敷金(しききん・しきがね)」と呼んでいたそうです。当然、何らかの理由で離婚をする際には、夫側は受け取っていた敷金の全額を妻側に返還する決まりになっており、まさに現在の賃貸における敷金と同じ意味だったのです。