コラム

ニューヨークの不動産事情

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May 26, 2013
written by K.S

ニューヨークといえば、世界一の経済、文化、金融の街。
マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイランドの5つの行政区から成り、それぞれ独自の文化を持っています。

■人気のエリア
日本と同じくニューヨークでも、住む場所はとても重要です。
地下鉄沿線はやはり人気のため費用がかかりますし、地域によって街の雰囲気はがらりと変わります。昔から人気のエリアといえば、マンハッタンの北側に位置するアッパーイースト&アッパーウエスト地区。治安がよく、閑静な高級住宅地として知られていますが、マンハッタンではもっとも物件が多く、意外と手頃なお部屋が見つかることも。ここの住人のオアシスといえば、南北4km、東西0.8kmもの敷地面積を持つセントラルパークです。近くにはメトロポリタン美術館や、映画「ナイトミュージアム」の舞台にもなったアメリカ自然史博物館もあります。
最先端のアートとハイセンスなお店を楽しみたいなら、マンハッタン南西部のチェルシーは外せません。アーティストが多く住んでいたトライベッカやソーホーが高級化し、その北に位置するチェルシーにギャラリーが移転したことで、1990年代以降おしゃれな若者に人気となりました。交通の便や治安面もよいため人気があり、家賃は高めです。
他にも、日本食レストランが多く「リトルTOKYO」と呼ばれているイーストビレッジ、流行の発信地でセレブにも人気のソーホーなど魅力的なエリアがたくさんあります。しかし、マンハッタン地区はもともと居住区が少ないこともあり、常に物件不足で家賃も東京より高めです。
そこでおすすめなのが、割安でマンハッタンへの交通の便もいいクイーンズやブルックリンなどの地区です。特に下町の雰囲気漂うクイーンズ地区のアストリアは治安がよく部屋も広めで、最近は日本人に人気急上昇中だとか。目的や予算に合わせて部屋を選ぶのは、日本でも同じことですね。

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■物件の形態
賃貸物件の中でもっとも定番の間取りは、リビングルームとベッドルームが分かれた「1Bedroom(ワンベッドルーム)」です。ちなみに、日本での「ワンルーム」は「Studio(ステューディオ)」と呼ばれます。部屋には洗濯機を置かず、ビル内のランドリールームを利用するのが一般的です。では、ニューヨークの物件はどのような形態に分かれているのでしょうか。

・アパート(Apartment)=賃貸アパート
マンハッタンでは住宅のおよそ70%がアパートの形態にあたります。個人か会社がビル全体のオーナーで、アパートには家電や暖房器具の設置が義務付けられています。契約期間は一般的に1~2年間。最近では、スポーツジムやプール付きの物件もあるそうです。

・コンドミニアム(Condominium)≒日本の分譲マンションビル管理会社の入居審査があり、無事通れば大家さんから部屋を貸してもらえます。日本と同じく、部屋のオーナーは投資目的で所有しています。

・コープ(Co-op)
ビルの株式を保有した各個人オーナーが、株式分の部屋の占有権利を持てるアパート。日本にはない形態です。申込書など多くの書類が必要で、コープの株主たちによる管理委員会(Board)の書類審査を通過しなければなりません。さらにその後面接もあるので、申請許可までに3週間以上かかるところが多いです。