人生を変えた一言

written by 小倉俊二郎
社会に出る前、将来について悩んでいたときや
社会人になって、今の仕事に不安や不満を抱えていたとき、恋愛をしていたとき
そんな時に家族や友人、会社の先輩からの
ふとした一言に救われた事ってありませんか?
このコラムでは、私がある人からかけられた、
ひと言についてお話します。
それは本当に些細なひと言でした。
やりたい事なんて見つからないよ。
ともすると否定的で投げやりにも感じてしまうひと言ですが、
この何でもない言葉が、私にとっては、
本当に意味のあるものだったのです。
思えば、高校3年から同じことで悩んでいたのかもしれません。
自分の将来を考えた時、人から喜ばれる仕事がしたい!なんて、
おおざっぱな志と、やる気だけがあって、
「何か出来る。何かあるはずだ~!!!」なんて根拠もなく思っていました。
若かったとはいえ、恥ずかしいですね。
まあ、それだけ強く何かを求めていたのだと思います。
でも、この「何か」って奴は厄介で、
なかなか見つからないくせにもう少し進んだら答えがあるような気がしてくる。
届きそうで届かない、もやもやした感じ。
私はこのもやもやから抜ける事ができず、
就活しても、働きたいと思える仕事もない。
歳を重ねるたび、可能性と入口は狭くって焦るばかり。
それでも、やりたい仕事は必ず見つかると信じていました。
そんな時に言われたのが、先の言葉です。
今更、やりたい事なんて見つからないよ。
やりたい事をしている人は、小さい時からその為にずっと努力をしてきた人。
今やりたい事がないのなら、探したって、そんなものは見つからない。
何でもいいから始めてみたら。
そうすれば、何か見えてくると思うよ。
始めてから今年で5年がたちました。
偉そうに「見えてきた事」なんて言えませんが、
今はやりたい事より、楽しむ気持ちが大切ではないか思っています。
それがあれば同じ仕事でも見え方が変わるはずだと。
もし、あの時「やりたい事なんて見つからないよ」と言われていなかったら
自分のやりたい事は、こんな事じゃない!
なんて思いながら、ずっと働いていたのかもしれません。