木に学べ

木に学べ
May 17, 2013
written by 四方田 裕弘
木に学べ
小学館  初版出版日 2003年11月

明治41年に法隆寺宮大工棟梁の家に生まれ、法隆寺、薬師寺の棟梁であった西岡常一の口伝。

家の生業を生まれたときからひとつの仕事をやり続けた人の、含蓄のある言葉に溢れています。
「鬼に訊け」という映画にもなりました。

「諸々の技法は一日にして成らず、祖神達の徳恵なり」

鵤寺(法隆寺)宮大工の口伝のひとつです。

組織ではなく、個を意識し続けていないと、なかなかこういう考えには至らないのではないかと思いました。
かといって個だけでは成り立たない。

ひとつのことを生業としてきた人ならではの言葉です。

仕事について、生業、職と言葉を変えながら考えてしまい、生き方、心構えについても問われている心持になる本です。

暮らしも、周りとの調和が重要視され、標準化傾向が強くなる世の中で、こういう本がどんどん貴重になっていくのではないかと思います。